侮れないB級映画の意外な楽しみ方とは?

映像の作りが安っぽく、ストーリー展開も俳優の技量もイマイチ、そんなチープなB級映画はお好きですか? 人によっては大好物ということもあるでしょうが、たいていはあまり好んでは観ないですよね。もっとちゃんと映画を作れよとか、予算がなかったんだなとか、イメージ的にはマイナス要素しか浮かんでこなかったり。でも制作側の人間にとっては限られた条件の中で必死に創っているのです。

予算や時間、その他もろもろの事情により、満足できるレベルで映画を製作できない場合、どこかで妥協しなければなりません。これはB級と言われる映画でなくても、普通にあることだと思います。たいていは工夫をして妥協したところをカバーするように制作されるのでしょうが、B級ともなるとうまくカバーするどころか、かえって目立ってしまう事もありますね。

初めからB級であることを前提にしてあるのなら、その作品のチープな特徴としてわざと目立たせることもあるのでしょうが、これはどうも目ざといというかわざとらしさが際立って、観る側としては興ざめしてしまうものです。わざとではなく、努力しているのに出来上がった作品がチープになってしまったという映画は、それなりにいい味を出していたりするものです。

そういう制作側の努力の跡が見て取れる場面など、実に心に響くものがあると思うのですがいかがでしょう。単純にチャチだなあと済ませてしまうには惜しい気がします。膨大な予算をかけて作った大作でも駄作と思える映画もあれば、少ない予算でも大ヒットした映画や名画があります。

しかし、仮にもB級映画と言われる作品は名画ではないでしょう。人に勧められるようなものか、怪しい作品群です。だからこそのB級だと言えばそれまでですが、そういった作品の中に映画を観る喜びが、ひょっとしたら隠れているかもしれません。例えば、ストーリーが陳腐で映像的にも安っぽさしか見えてこないような映画を観てしまったとしましょう。

多分、観た後の感想はよろしいものではないでしょう。あまりのひどさに感想どころではないかもしれません。しかし、それは作品に触れることができたからこその反応なのです。もし面白い映画、名作映画だらけであればB級映画を観ることができませんし、つまらないという感情を持つこともできない。プラスなものだけでは世の中は成り立ちません。善には悪、陰には陽が必ず対となって存在するのです。

B級映画に求めるものは、良質なストーリーや映像などではありません。むしろその反対です。くだらなさや陳腐さ、バカバカしさなどを観ることは、普通はあまりお勧めしないのでしょう。しかし良いものだけを追い求めていくだけでは、本当のことは見えてきません。だいたい人間というのは常に良い子であり続けることなど、苦痛になりますよね。どこかで息抜きをしないとパンクしてしまうかもしれません。

そうならないためにも、いつも名作や大作を観るだけではなく、たまにはその対極にあるB級映画を観て、マイナス的な感情を持つことも大切だと思います。偏ってしまう感情や感覚などにバランスを取らせることができるのではないでしょうか? ただB級映画ばかりを観ていると、それはそれでダメだと思うのですけどね。