みんなの期待を裏切り、評価もよくない映画作品に対し、あなたはどんな想いがあるでしょう。まあ大抵はそんな映画に興味はないと切り捨てられるのがオチではあるのですけど。でも切り口の角度を変えてみたり、観方をいつもと変えることによって、意外とよい作品に思えてくることもあるかもしれませんよ。何事でも挑戦することに意義がある!

一言で「つまらない映画」っていうの、ありますよね。どちらかと言えば失敗した作品と認識されることが多いでしょう。必然的に評価も低く、あまり話題にも上ることのない映画です。そんな映画になぜ注目するのか? 実は「つまらない映画」は「面白い映画」に化けることがあるからなのです。ちょっとそれはないんじゃないの? と疑う気持ちはよくわかります。でもこれは事実です。

つまらない映画と面白い映画の違いは何でしょう? ストーリーとかキャストとか監督の違い、あるいは映像の技術なの? 思い当たる項目はたくさんあることと察します。でも一番の違いは、観た人の感想によるものだと思いませんか? どんなに評判がよく、観客動員がすごいことになっていようとも、観た人がつまらなければその人にとってはつまらない映画となります。

逆もしかり。評判が悪く、観客も少ないような映画であっても、観た人が楽しめれば楽しい映画になるということでしょう。これは映画の評論でも同じ傾向があります。ある作品の評価が評論家によって違っているなんて、普通にあることですよね。こういう評論家の評価を観に行く映画の選考基準にする方は結構いらっしゃるでしょうが、参考にするのは最高の評価を付ける人とは限らず、また最低の評価を付ける人の書評でもない。

おそらくは自分の感覚に近い人の評価によって決めることが多いのではないでしょうか。そう考えると名作や佳作という映画については、多数の方の共感を得られた作品だろうと推測できますよね。そしてあまり共感を得られていない映画は、つまらない映画として認識されてしまうだろうことも推測されます。でもそれが本当につまらない映画と判断される材料なのでしょうか?

前述したことを基準とするのであれば、評価の良し悪しは多数ないし少数で決まるのではなく、映画を観た各人の判断によるものだと言っていいのではないでしょうか。「百聞は一見に如かず」とはよく言われますが、映画にだって当てはまることわざなのですね。

人には何らかのこだわりというものがあります。それは自分という人間を定義するための一つの手段でもあります。そして映画に対しても何らかのこだわりを持つ人って少なくはありませんよね。そのこだわりに沿って映画を観た時、面白いと思えるのかつまらないと感じるのか、各人によって違ってくるものです。でもこだわりを捨て、素直に作品と接した時に普遍的な良さを感じ取れることがあるかもしれません。

多少抽象的な言い回しになってしまいましたが、映画というものはつまらないと思われるものでも、支持をする人がいるもので、そういう意味ではつまらない映画というものがこの世には存在しないのだということなのです。どんなにつまらないという人がいたとしても、たった1人が面白いと思えば、それは面白い映画ということができるのですね。たまにはそんな映画に接してみるのもいいかもしれませんよ。